デジタルノマドビザとは?各国の導入事例とメリット・デメリットを解説

じぶん計画編集部
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リモートワークの急速な普及とともに、「デジタルノマド」という働き方が注目を浴びています。デジタルノマドは、場所にとらわれずに世界各地を移動しながら仕事をするライフスタイルを指し、その自由さと柔軟性が多くの注目を集めています。

これに応じて、各国ではデジタルノマドを歓迎する政策を打ち出しており、その中でも特に注目されているのが「デジタルノマドビザ」です。このビザは、国境を越えて自由に働きながらその国に長期間滞在できる制度で、次世代の働き方に対応した新しい選択肢となっています。

この記事では、デジタルノマドビザがもたらす可能性とその先進的な活用方法、そして各国の導入事例を、具体的なデータを交えて深掘りしていきます。

1. デジタルノマドビザとは?

1.1 デジタルノマドの定義と背景

デジタルノマドは、インターネットさえあればどこでも仕事ができる人々のことを指します。彼らは、一般的なオフィスワーカーとは異なり、特定のオフィスや都市に縛られずに、世界中のあらゆる場所を移動しながら働くことができます。この新しい働き方は、特にCOVID-19のパンデミックによってリモートワークが標準化され、さらに加速しました。ある調査によると、2019年から2023年にかけて、デジタルノマドとして働く人数は131%増加し、アメリカだけでも約1690万人がデジタルノマドとして活動しています。

1.2 デジタルノマドビザの登場

従来のビザ制度は、観光ビザや就労ビザなど、目的が明確である場合に限られていました。しかし、デジタルノマドの増加に伴い、リモートで働きながら一定期間特定の国に滞在するという新しいニーズが生まれ、これに対応するために各国が「デジタルノマドビザ」を導入しました。このビザは、リモートワーカーが特定の国で合法的に長期間滞在しながら仕事を行えるようにするもので、主に観光ビザの有効期限が短すぎる、就労ビザが不要なリモートワークには適用されないといった課題を解決しています。

2. デジタルノマドビザを導入している国々とその特徴

2.1 エストニアの「デジタルノマドビザ」

エストニアは、デジタルノマドビザを最も早く導入した国の一つです。2020年に施行されたエストニアのデジタルノマドビザは、年間で3万ユーロ(約450万円)以上の収入があるリモートワーカーを対象に、最大1年間の滞在を許可しています。また、ビザ申請はオンラインで完結できる利便性の高さが特徴です。エストニアは「e-Residency」と呼ばれる、非居住者でも法人設立や銀行口座開設が可能なデジタル居住者制度も提供しており、特にテック企業やスタートアップに人気です。

2.2 クロアチアの「デジタルノマドステイ」

クロアチアもデジタルノマドを積極的に受け入れている国です。2021年に導入された「デジタルノマドステイ」ビザでは、最大12ヶ月間の滞在が可能で、申請者は月収約2500ユーロ(約35万円)以上の証明を求められます。クロアチアは美しい自然と低い生活費で知られており、デジタルノマドにとって魅力的な滞在先となっています。また、滞在中に税制上のメリットがあることも人気の理由です。

2.3 バルバドスの「Welcome Stamp」

バルバドスは、観光産業が打撃を受けたCOVID-19のパンデミック中に「Welcome Stamp」というデジタルノマドビザを導入しました。バルバドスの暖かい気候と豊かな自然は、多くのデジタルノマドにとって理想的な働き方の場所となっています。このビザは最大12ヶ月間の滞在が可能で、年間収入が5万ドル(約550万円)以上であることが条件です。

3. デジタルノマドビザがもたらすメリットと課題

3.1 メリット:自由と仕事の両立

デジタルノマドビザは、リモートワーカーにとって理想的な働き方を実現するツールです。好きな場所で生活しながら収入を得ることができるため、働く場所やライフスタイルに柔軟性が生まれます。特に、都市の喧騒から離れ、自然に囲まれた環境で働くことで、ストレスを軽減し、クリエイティビティを高めることができるとされています。

また、ビザの取得条件が比較的簡単で、オンライン申請も多いことから、多くの人が気軽に挑戦できる点もメリットです。さらに、リモートワークが普及している業界では、国境を越えたチームやプロジェクトが一般的になっており、デジタルノマドとしての働き方はますます重要性を増しています。

3.2 課題:税金や法的問題

一方で、デジタルノマドビザにもいくつかの課題があります。特に、税制や保険の問題が挙げられます。リモートワーカーがどの国でどの程度の税金を支払うべきかという問題は依然として複雑で、国によってはダブルタックス(同じ収入に対して二重課税されること)のリスクも存在します。実際に、日本国籍のリモートワーカーがデジタルノマドビザを利用している場合、日本国外での収入に対しても課税される可能性があるため、特定の状況では予想以上の税負担が発生することもあります。

また、健康保険や年金制度についても、長期間海外で生活する際には注意が必要です。国によってはビザ保持者に対して現地の保険加入を義務づけているケースもあるため、その費用がかさむことがあります。こうした法的な問題を事前にクリアにしておくことが重要です。

4. デジタルノマドビザの未来

デジタルノマドビザは、グローバルな働き方を促進し、リモートワーカーに新たな選択肢を提供する重要なツールとなっています。今後もますます多くの国々がこのビザを導入し、リモートワークを通じた新しい形のグローバル経済が発展していくでしょう。特に、若い世代や自由なライフスタイルを求める人々にとって、デジタルノマドビザは魅力的な制度として今後も進化を続けるはずです。

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